【書評】D・カーネギー『人を動かす 』の感想 この本、好きな人に読ませたらダメ!
心理学の本、人を動かすを読みました。
言い方一つで人の気持ちはこうも変わるよなー、と実生活での共感部分も多い納得の一冊でした。
人間関係を円滑にしたい方、商談などを成功させたい方は読むべきオススメの本ですが、心を操りたい人には読ませてはいけない本だと思います。
感想
1936年の初版刊行ながら、今も人気のあるベストセラー本の『人を動かす』
時代に合わない表現などは改良されてるようで、古めかしさは感じられません。
それに人の気持ちって変わらないものですよね。
育児法、流行、アクティビティ、医療法、法律が変わったとしても『嬉しい』『楽しい』『悔しい』『辛い』などの感情は変わらないものだと思います。
いまだに読み継がれる本なだけあって、とても勉強になりました。
その中でも印象に残ったお話を取り上げてみようと思います。
◇PART1 人を動かす三原則
1. 盗人にも五分の理を認める
多くの罪人は自分が悪いことをしたと思っていないそうです。
盗みを働いても、人を殺しても、自分には正当な理由がある。
生きるためには仕方なかったと思うそうです。
正当防衛という言葉がありますが、これに近い感覚なのでしょうね。
規模は違いますが、夫婦喧嘩でもそうだと思います。
喧嘩になる時は、どっちが正しいかの意見のぶつかり合い。
夫婦の難しいところは正解がないところ。
法律のようにしっかり罰を受けることが決まっていれば、やりやすいと思うんですよね。
中には夫婦だけのルールを決めてる方もいるかもしれません。
このルールだって、夫婦だからという甘えで気分によって破られたり破ったり、大目に見たりと、その時のさじ加減。
はっきりした決まりがないものだから、「あなたが悪い」と責任をなすりつけあってしまう。
悪いことだとわかっていれば強気になんてなれないので、本人は悪意がないんでしょう。
そう思うと、怒ってる旦那に何言っても無駄ということに気づきけますよね。
◇PART3 人を説得する十二原則
2 .誤りを指摘しない
批判するとそっちだって!となるというもの。
これ実生活でよくあります。
またまた夫婦関係の話になりますが、誤りを指摘した場合に素直に「ごめん」と言える世の旦那さんは何割いるんでしょう?
半分以下だと思うんですよね。
他の心理学の本で読みましたが、男性は支配欲が女性より高いそうです。
そして優位でいたいと思うため、間違いを認められないそう。
特に妻には、一家の主人として威張っていたい気持ちが強いため謝れないようです。
謝らなかったとしても、悪いと思ってたら黙ってればいのに、論点がずれ「お前だってこういうことあるだろ」となるものです。
私もこれはよくやってしまいます。
これも自衛本能で、攻撃されるとやり返したくなっちゃうものなんでしょう。
罵り合ったって何も楽しくない。
『批判しなきゃ気づかないから言ってあげてる』いう気持ちでいうのでしょうが、これは逆効果なんですよね。
逆に自分の非を認めると、こっちが指摘しなくてもあっちから「悪かった」と思うものです。
ただし、これも普通の感覚を持った人じゃないと気づけないだろうな〜。
『人を動かす』を読んで、人を自分の思うように操縦するのは、一見下手に出ながら、 目的を果たすということ。
負けるが勝ちの精神が書き綴られてます。
過去に、この精神で人の気持ちを動かしたことが幾度かあります。
その時は「動かしたろ!」としたたかに動いたわけではないんですが、結果そうなったという話です。
下手に出ると人は動く!の体験談
忙しそうで恋人と時間が合わなかった時期があります。
計画してた温泉旅行もどうなるかわからない状態でした。
連絡も少なくなりつつあり、これはもしかして私の存在が邪魔になってるのかと思ったりもしてました。
この時、私は温泉旅行をごり押ししたり「もう好きじゃないの?」などのうっとおしい会話はしませんでした。
相手の忙しさ加減を伺ったのと、温泉旅行の話は当分やめとくと、引きの態度に出ました。
そうすると、温泉旅行の話が進み出しました。
恋愛において、引き気味の相手には押すより引いた方が効果的です。
『追われる女の定義』なども、追いつきそうな間隔を保ちながら引いてるんですよね。
これは男性だからこそ、当てはまる技なのかもしれません。
女性は引かれてしまったり、他の女性の存在がちらつくと、競争心が燃えたぎるよりは「もう辞めよ」と思う人多いと思います。
男性の心を動かしたかったら、引くのが有効ですが、これって気持ちが大きいと出来なかったりするんですよね。
この時も結果、行く事になったけど、下手したらナシになる可能性もあります。
私自身、この恋人に対して気持ちが薄かったからこそ引きの姿勢を取れました。
予定決まらないって、めっちゃヤキモキするんですよ。
温泉行かないんだったら他の友達と行くから、はっきりしてよ!がここでの本音。
楽しみにしてたらこんなこと言えない。
これは、どうかな・・・と思ったこと
とても素晴らしい本でしたが、一つケースバイケースだよなと思ったのが、人に好意を持つということ。
『PART2 人に好かれる六原則』のとこに書いてました。
たしかに自分の話を興味深く聞いてくれたり、興味を持ってくれると重要感が満たされ、そのうちその人の事も気にかけるようになる。
だけど、異性からこれをされると興味ない相手だとめちゃウザい。
これは自分だけの経験かもしれないけど、好意を寄せてきた相手(とくにママ友)に限って、急に変な無視とかしだす。
自分から興味を持った相手に冷たい態度をとられても腹は立たないけど、近づいてきた相手に気使って好意的な態度をとったのに、手のひら返しを食らうとイラっとします。
真の好意ではなく気遣いの好意を示してるので「やってやってる感」が強くなって、思い通りの態度じゃないと腹が立つのかもしれないですね。
お付き合いするかしないかくらいの交友関係でも…
何を勘違いしたのか、ズケズケした態度をとられた瞬間にキモ病が発生してしまいます。
社交辞令で笑顔を作ってるのに気づけ。
まあこう思うのも、ワガママを聞き入れてくれる人を好む傾向にあるのと、自分の方が立場が上だと調子こいだ勘違いをしてるからでしょうね。
まとめ
こんな場合、こうやって人を動かす!のような具体例もあって取り入れやすいです。
人と摩擦を避け、円滑に生活したい人は読むべき本。
たくさん学べたけど、実践できるかは別だったりもしますが。。。
この本を読み、とても感心した私は旦那に本の内容を話し「私もこうやったらいいんだなぁ」と何気なく言いました。
これが間違いだった。
喧嘩になると「あの本読んでるなら批判するな」などと言ってきます。
俺は好き勝手いうけど、お前が折れろってことでしょ?
人間関係において50:50の関係はないと思いますが、私だけが努力しなくてはいけないのは腑に落ちません。
心理学を実践したい相手にはこの本教えちゃダメですね。
それに、どんな必殺技でも種明かしをしてしまうと通じない。
オススメしたい本だけど『心を動かしたい人』『円滑にしたい相手』には読ませたらダメだね。
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